現場で働く医師の声〜StayHomeの意味〜

最前線の医療スタッフの声を届けたい。
現場で働く医師からのメッセージです。
個人情報保護のため、一部情報を隠した記事になっております。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

現場で働く医師の声

私はとある県の感染症指定医療機関に勤務しています。県には数百人規模で感染者がおり、病院にもたくさんの新型コロナウイルス感染症の患者さんがいらっしゃいます。重症の方もいらっしゃいますが、軽症の方がほとんどです。

私が多くの患者さんを見てきて、新型コロナウイルス感染症の特徴として思うのは、SpO2などが低い(いわゆる酸素が取り込めていない)状態で本来であれば呼吸がしんどいにも関わらず、比較的症状が軽いということです。

SpO2とは、血中の赤血球にどれだけの酸素がくっついているかを示しています。通常の健康な方だと約100%です。90%前半でややしんどい、90%となるとかなりしんどい値になります。

全く呼吸苦のない方でも実際にSpO2を測ってみると、90%と低かったりすることが多々あります。胸のX線写真に影はなくても、よりはっきり見えるCTを取って見てみると肺全体に特徴的なポツポツとした影が見えることが多いです。

私の病院にいる多くの方は、無症状または微熱があるくらいです。
濃厚接触者となって検査したら、症状が全くないのに陽性だった。そんな方が断トツで多いです。

私は毎日病棟で患者さんに会います。そして、なぜこの人に会うのに、暑い防護服を着ないといけないのか。街中で元気に歩いている人と何が違うのか。毎日そう思います。

何が言いたいかというと、新型コロナウイルスに感染しても無症状の可能性が大いにあるということ。
神戸市立医療センター中央市民病院の研究では、外来受診をした1000人の血液を検査したところ、およそ3%の方が「新型コロナウイルスに感染したことを示す抗体」を持っていたことが分かりました。
つまり、1000人いれば、30人が感染していたということです。これは、統計学的に処理すると神戸市民の2.7%に当たる約4万1千人が、過去に感染していたということになるそうです。

知らぬうちに外出自粛する前からたくさんウイルスを撒き散らしてしまっていたのです。
若者が感染を広げているとよくニュースで取りざたされていますが、若者だけでなく、電車で通勤する人たちや、スーパーで買い物をする主婦の方、カフェや飲食店を利用する高齢者の方々、誰にだって感染源となってしまっていた可能性があります。

私の病院では、すでに●●名の方が新型コロナウイルス感染症で亡くなられました。数日前まで元気だったのに、来た時は元気だったのに、そんな方もいらっしゃいました。実際に亡くなった方を目にしてから、新型コロナウイルス感染症が本当に怖くなりました。

ただ、自分の患者さんが亡くなるまではなぜかどうしても実感がわきません。本当にそんなウイルスは存在しているんだろうか。本当に危険なのか。私のような健康な人は関係ないのではないか。そう思ってしまいます。それくらい、目に見えなくて理解できないウイルスなのです。病院に直接従事している私でさえそう思ってしまいました。

今、私たちは多くの人が「Stay Home」しています。Stay Homeの意味はとても理解するのが難しいです。
自分が家にいたことで防ぐことができた命があるかもしれない。目に見えない結果は本当に理解するのが難しいです。

「Stay Home」〜お家ですごそう〜

現在、多くの方がStayHomeしています。しかし、自分がStayHomeすることが、どれくらい感染拡大に意味があるのか、みなさんどのくらい理解しているのでしょうか。私もどれくらいの意味があるのか数値で示せと言われると分かりません。

それにも関わらず、多くの方が一生懸命StayHomeされています。身を削ってまでお店を休業することでStayHomeを促す経営者の方々、頑張ってテレワークを進める会社の方々もいらっしゃり、本当に頭が上がりません。

私の病院では、ここ最近は新型コロナウイルス肺炎の疑いとなる患者さんが少なくなってきました。これはきっと、一人一人の方が、StayHomeという努力をされているからだと思います。本当に素晴らしいことです。

これからも見えないウイルスとの戦いは続きます。長い長い戦いになると思います。いつか折り合いをつけていかなければならない日がやってくると思いますが、こうやってみなさんがStayHomeしてくださったおかげで、大きな医療崩壊が防げています。

この場を借りてお礼を言わせてください。
みなさんありがとうございます。

お一人お一人の行動が2週間後の未来を作ります。
もう少し辛抱しましょう。未来はきっと明るいです。
StayHome。 お家で過ごそう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー